|
『「正しい一般平民の質屋入門」講座』第3回 シッチーMkU |
|
|
|
さて一人の質屋としては、他の質屋の質蔵にナニが入っているのか大変に気に
なるところです。 ただお金持ちの人達はどこにでもいるとみえて、先日同業の先輩と話をしてい たら、若いお嬢さんが車で乗り付けてきて、「どうしても今日中に600万円必 要なのヨ」と言ったかと思うと、車のトランクから出るわ出るわ、エルメスの 高級バッグが6つ〜7つ、ヴイトンが10数個、金無垢のロレックスにカルティ エ、「足りなければ家から取ってくるわ」と仰ったそうです。ドッヒェーェ。 もっとも当店のような今にも倒産しそうな質屋だって、結構な高級品をお預か りしているくらいですから。 アタシんちの質蔵に入っている面白いものと言えば、刀や槍、現代作家の焼き 物くらいでしょうか。 とにかく何が持ちこまれるか分かりません。質屋は毎日が勉強の連続です。
●その1●
先日はタクシーで乗り付けてこられた中年のご婦人が、大きな木の箱を引きず
りながらのご来店。 長くなるので結論を述べます。暫くの押し問答の後、結局そのご婦人は信楽と 言えば高級だという固定観念の元に自信を持って持ちこまれたわけです。 最終的には丁重にお断りしました。
●その2●
テレビの「なんでも鑑定団」のお陰で、ときどき変わったものが持ちこまれる
ようになりました。
●その3●
ラッセンのリトグラフ。娘が900万円で購入したので、いくらの値打ちがある
のか? というお尋ね。 ●その4● 占いに使うような大きな水晶玉。鑑別の結果、ガラスでしたので、ブッブー。
●そんでもって、その5●
●ワン・デイ●
こうやってみると、お客さまのお宅には面白い珍品がおありのようですな。
質屋は何が来ても、ほとんどの品物に説明をつけなければなりません。 と思ったらすぐに戻っていらっしゃり、今度はロンゲ・茶髪・ピアスの青年が 一緒です。
「あのー、お願いがあるのですが」と美人の(くどいですが)女性。 なっ、なんのこっちゃ。ロレックスはどうした!?
彼女の言い分は、都内に茶髪・ロンゲの若い質屋がいるとのこと。また彼に何
か真面目な仕事をさせたいということらしいのです。さらには、 当店は貧乏な質屋ですからとても弟子なんか置く余裕がありませんが、そりゃ 美人のアナタだけなら考えちゃう〜と言いたいのをオジサンぐっと我慢して、 なんで質屋をやりたいのかをじっくりと伺いました。 要するに、テレビの「なんでも鑑定団」のように、小さなルーペ一つで品物の ウンチクを並べ立てて査定をするのがカッコいいと思ったからなんだそうです。 ね、そこのこれを読んでいるアナタもそうじゃないんですか。 「なんでも鑑定団」といえば、お蔭様で古い品物にも価値があるんだというこ とを皆さんに教えてくれた宣伝効果は大変なもんですよ。Kissしちゃいます。
また鑑定士の人達もこれまで真剣に仕事をしてきたからこそ、あんな見事なウ
ンチクが言えるんでしょうし。(すいません、ウンチ君じゃありません念のた
め)
質屋は値段を口にすれば、結果的に損をしようとその金額を出さなけりゃぁ、
あきまへん。
若い人達が古物に興味を持ち、品物を大切にするのはいうまでもなく結構なこ
とじゃぁあ〜りませんか。 このお客様のように半年かそこいら勉強しただけで、ルーペ片手にウンチクが 言える様になるとはとても思えません。ただブランドバッグとかに限ってなら ば、沢山の品物の売り買いをすればあるいは1−2年で一通りのカッコはつく かもしれません。
さて、ブツが持ちこまれるとまずその石が宝石かどうか、本物かどうかが最初
の判断です。これも1年ほど宝石鑑別の学校に通って勉強すればそこまでは分
かるようになると思います。
質屋の扱うのは程度の差はありますが、中古品です。
難しいのは、中古になって値段を踏むときの問題です。
私達、東京多摩地区の質屋の有志が10人ほどで宝石貴金属の市場を始めてから
そろそろ20年になります。年に5回の市場で、1回に処理する時計、宝石、貴金
属は大体2000点前後ですからあとは掛け算してください。 というようなお話して、せっかくの弟子入りですがお引取り願いました。 ここでチョンと拍子木が入り幕となります。次回もお楽しみに! |