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『「正しい一般平民の質屋入門」講座』第2回 シッチーMkU |
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さってと、お約束の「質草」のお話です。
質草と言うのはつまり、それぞれのご家庭にある金目のものということになり
ますから、世相の動向を反映しておるんですな。
ただし、生き物や食べ物は質草にはなりませんヨ、念のため。 昔の質屋の営業形態を学んだことはありませんので、そちらはNHKの市民大学 講座にでもおまかせして(受講者がいるとは思えませんが)、私の知っている ここ30年ばかりの話に戻ります。
その前に私の時代の背景は、なんと創刊号から購読している「ビッグコミック」
などに連載されている西岸良平さんのマンガそのままの時代です。これを読ん
でいると少年の頃を思い出します。なつかしいなア。とても良くできている漫
画です。
さて当時、一般家庭の大切な金目のものはなんたって「着物」でした。
質草の90%以上を占める着物の値段付けと、商売の仕方を覚えるために長い
間他人様の店で丁稚奉公をするのがこの業界の習慣でした。 しかし世の中の変わり様の方が激しく、30年前にはもう電化製品と時計が主流 となりつつありました。そうなると新製品の情報が優先される時代となり、私 は丁稚奉公に出されることもなく当店ディスカウント部の店番へと変わったの です。ジャンジャン。
好景気の到来とともに質草も高級品化していきます。昭和35年頃、当店の質の
単価は500円とか1000円でしたが、いつしか金額の桁が増えていきました。 今でこそ結婚指輪のダイアモンドが1カラットなんてことは珍しくもありませ んが、40年も昔には東京・新宿の三越デパートで0.15カラットのダイアを買っ てもらうなんて、ほとんど夢のようなことでした。お値段は給料の3〜4ヶ月 分くらいでしたから。 また万年筆が高級品だった時代でパーカー、ペリカン、モンブランがもてはや され、時計はオメガ、ラドー、ウォルサム、インターナショナルで、ライター はデュポン。これがサラリーマンの憧れの的で、いつかは重役になってそれら 三種の神器を所有することが成功者の印だったのです。
外国物といえば圧倒的にアメリカ製。アメリカンスタイルこそが絶対正義のシ
ンボルでした。
例によってちょっと横道にそれますけれど、デジタル表示の時計が製品化され
たばかりのころ、私が店番をしていたディスカウント販売店ではセイコーの製
品を7万円で販売した記憶があります。
それから間もなく大量生産で安価のカシオデジタルが登場しました。 懐かしいな、山口百恵ちゃんのポスター。コレもらうために大量仕入しました から、私。はいはい、ミーハーざんす。
ライターでは、当時の販売価格が1000円から3000円位のマルマン「ハーレー」
という多分業界初の電子ライターが登場し、これも随分と売りました。
かつては質草の花形だった着物や毛皮類も今ではほとんど商品価値を失い、ま
た家電製品も次々と新型が出るためにメインの質草にはならず、カメラも使い
捨てのレンズ付フィルムが普及してから相場が下がっちゃいました。
前にも書きましたが、時代の変化が世の中の価値観をめまぐるしく変えていき
ます。 さて今回はこの辺でおしまいにして、次回もまた質草のお話の続きをいたしま しょう。よろしくお付き合いくださいねッ! |